Q) 色々なセミナーに参加した理由は何ですか?
柔道整復師の学校といっても試験勉強が主で実践的なことは殆ど教えてもらえなかったんです。今はわかりませんが。学校を卒業した後、整形外科とマッサージ院で働いた経験はあったんですが、整骨院で一度も働く機会がないまま開業したんですね。手探りの状態で殆ど技術を持ち合わせていませんでした。
今思うと怖いもの知らずでよくやっていたと思います。でも患者さんを治したいと思う気持ちは人一倍強く持っていましたから、手当たりしだいに色々なセミナーに参加して技術を身に付けたかったんですね。
あとはそうですね、開業当時はそうでもなかったのですが、ここ最近の柔整学校の増加や保険請求の厳しい検査等、業界全体の急激な環境変化も要因のひとつです。今のままでは同じ柔整の中に埋もれてしまうという危機感と、将来勝ち残っていくには他にはないぬきんでた技術をマスターしなければと強く思うようになりました。
Q) 今まで参加してきた中で一番印象深かったのはどんなセミナーですか?
あれは熊本のセミナーでした。このセミナーは深夜の1時、2時に終わるのは毎度のことで、時には深夜3時半まで講義を受けたこともありました。平日だったので次の日は一睡もせずに仕事をしたのをよく覚えています。当時は、こんなに熱心に指導してくれる先生はいないと完全に信じていました。
ところが、セミナーが進んで1年経った位の頃でしょうか、突然これ以上の技術を知りたければ保険を切らないと教えないといわれたんです。これには驚きました。そして一緒に行っていた仲間と話し合い、悩んだ末に保険を停止して自由診療の道を選びました。
すると、勝負するには広告を出さなければいけないということになって、その先生の指定した広告の業者を通じて、数回に分けて350万円の高い広告費を出すことになりました。それでも私はまだ少ない方で、中には1000万円以上もの広告を出した先生もいたようです。
しかしきびしい自由診療の世界と地域性もあり、うまくいかず患者が激減、治療院は傾いて貯金も底をついてしまいました。患者の信頼も失ってしまい、地獄のような毎日を経験しました。
他の先生方はすぐに保険診療に戻りましたが、私を含め数人の先生は意地を張って自由診療をしばらく続けました。それでも限界があり、結局1年でピリオドを打ちました。
その後再度整骨院にカムバックしましたが、以前の患者は殆んど戻ってきませんでしたね。信頼を失ってしまったことがやはり一番つらかったです。
Q) それからどうしましたか?
このままではまずいと焦りましたよ。試行錯誤を重ねてホームページも作ろうと思ったこともあります。しかし考えれば考えるほど、アピールできるポイントの無さに気付かされました。他には無い治療院の特徴や抜きん出た技術等の他と差別化できるものが何も無いということに、とても歯がゆい思いをしました。結局このときはホームページを作るのは諦めたんですが、この頃が一番もがき苦しんでいるときでしたね。